Tea-Wi's Peaceful World

プレイしたゲームとかの記録をつれづれと( ❛‿❛ )

ウィザードリィ外伝 五つの試練:「泡いっぱいの日々を」プレイ記録その5(後編・完結)

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「泡いっぱいの日々を」タイトル画面

クリア後ダンジョン「ヴァルハラの塔」最終層。
前編の続きなのでそちらからお読みください。

tea-wind.hatenablog.com

シナリオの詳細はその1をご参照ください。

tea-wind.hatenablog.com

*おしらせ*
マッピングツールは「方眼紙マッピング」を使用。
・アイコンはいろいろカスタムしています。
・呪文名はいわゆる「トゥルーワード」に変更は *しません*
・プレイしながら記録していたメモをほぼそのまま載せてます。
・ネタバレに対する配慮はありません。

天国へ

街でアイテム整理とレベルアップを済ませ、加速器の座標へ向かう。
扉の鍵は開いており、中では装置が静かに振動していた。

仲間たちは顔を見合わせ、互いに頷く。……アキだけは未だに戸惑っているようだったが。
装置のスイッチを入れる。突如フウカたちは前に飛ばされる。凄い勢いだ!
その加速器が上を向いたその瞬間――星が見えた!

――――

「――ここは?」

――少しの間意識を失っていたようだ。
フウカは目が覚めると、見慣れない――だけど知っている気がする空間に居ることに気づく。

「……見覚えがある気がする」
「――うっ、フウカさん……?」

仲間たちも続々目を覚ます。

「……どこなんだ? 俺たち死んでないよな?」
「こんな体験をしたのは初めてだわ……」

「姉さん、起きて起きて」
「……起きたらカナヤの顔が目の前なんて、ここが天国……」

……本当に天国だよ。ここは

フウカたちは、本当に天国にやってきたのだ。

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まともに話が通じる数少ない天使

近くの部屋にはフレンドリーな天使がいた。

「人間が迷い込んでくるとは驚きです。
 あなたの世界に帰してあげましょうか?

いや、ここでやることがある。そう答え、申し出を断ったフウカ。

「それでは忠告しましょう。
 この先の宮殿では天使兵が厳重な警備を張っています。重々お気をつけを」

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見た目は天使たちですが中身は忍者もビックリの首切り厨です

実際、出てくる敵は「妖精」と「天使」ばかり。
妖精の癖に首刎ねを持っている物騒極まりない連中だ。基本的にはブレスばかりなのだが……。

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侍専用装備。恐らく忍者版もあるんだろうな

持っているものも超強力で、「八幡装束」の上位装備「八竜装束」が手に入った。
首刎ねがなければガンガン連戦するんだが……。

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最上級の天使がフウカたちの魂を見極める。

天国の奥に向かうと、最上級の天使がフウカたちを待っていた。

「罪悪の水から生まれた英霊よ……
 お前は正しい……
 あらゆる宿罪を捨て……
 お前は雨を待っていたのだな……」

「――はい。わたしはこの世界に来て、多くの仲間と……そしてナオ。みんなのお陰で、救いを得た」

偉大なる天使にフウカが答える。

「救われた魂よ……
 大いなる手に触れてみるか……」

まぶしい光が降り注いでくる。

「フウカさん……」
「恐らく、女神に会うための最後の試練だ……!」
「俺たちもいる! やってやろうぜ!」
「アタシたちの力は、天にだって通用するんだ!」
「私の魔法だって……」
「僕の忍術だってある!」

天よ、最後の審判を!

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天の審判はフウカたちにどのような答えを下すのか

*** メタトロン ***と天使たちと戦闘!
後列の連中が首刎ねを持っているのが物騒すぎる。速やかに潰す。
あとは本腰を入れてメタトロンの審判に勝利するのみ……と思ったら、全体即死魔法「カルネージ」!
マジックスクリーンすら貫き、マナカとユマのふたりのみが生き残った!

「アタシたちふたりだけかよ……! ユマ、大丈夫か!」
「こうなったら究極の呪文……"セブンスブーン"に賭けるしかない!」

インフレしきった経験値のもとではセブンスブーンのコストなんてないも同然。
しかしなかなか「健康と復活」を引けない……! 「防御力を上げる」、「呪文の効果を上げる」、「魔法からの保護」、「魔力を回復する」……普段なら有用なものは引けるのに……!

「おい! あと1回凌ぐのが限度だぞ!」
「――来たわ!!」

ついに「健康と復活」を引き当てる!

「うっ……これが天使の審判なのか……!」
「酷い目に遭ったぜ……」
「これが天使の力なんだね……」
「……ユマさん、これを!」

ナオが「セブンスブーン」を唱え、「吸い取られたレベルの回復」を引き当てた!
これでユマが失った経験は全て取り戻される!

「流石ナオ、気が利いてるわね!」
「お褒めにあずかり光栄です!」

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最後のトドメはアキの一撃!

他のセブンスブーンの効果が発揮されている今、もはや天使といえど敵ではない!
アキの斬撃がトドメとなり、天使は光の中に消え去った!

「つ……強かった……」
「流石は最高位の天使だったわね……」

アキとユマが息切れしている。他のメンバーもかなり消耗しているようだ。
そんな中、天から声が響いた。

フウカ、女神との再会

「……ずいぶんやかましいですね。天使たちはなにをしているのですか!」

天より光を纏った女性――女神が降臨してきたのである。
フウカ以外の一同は、あまりの威容に思わずひざまずいていた。

「……女神様」

「――貴方はフウカ!? 何故ここに? それに何故私のことを覚えて……」

女神は、その威厳に似合わぬ動揺した声を上げた。

「地上でのとある冒険の末……わたしは記憶を取り戻し、そして天国へ渡る道を得ました」

「……ここに居るということは、貴方は再び命を落とした――わけではないようね」

「はい。わたしにはよく分からないけど、ここへの道を開くだけの技術を得た人間が地上にいました」

「……貴方は、何故ここに来たのですか? 異界の神々を征伐し、既に貴方は宿命から解き放たれているはず」

女神はフウカに問うた。既に自らの下にはないフウカが、何故ここに戻ってきたのか。
それは全能たる創造神にすら分からないことだった。

――ありがとうございました

「え?」

フウカがひざまずいて述べた礼に、女神は虚を突かれたようだった。

「あたしからも! フウカさんをこの世界に連れてきてくれて
 ――フウカさんを救ってくれてありがとうございました!」

フウカの後ろから飛び出してきたナオもまた、女神に感謝を述べる。

「貴方は――そう。貴方がフウカの……風香の親友の生まれ変わり」

「はい。わたしはこの世界でもナオに出会い――再び親友となることができました。
 そして、彼女をこの手で守ることも――」

フウカは、目に涙を浮かべていた。それは悲しみではなく……喜びに感極まっての涙だった。

「菜緖の死から逃げ続けてきたけど、やっとそれを受け入れることができました。
 そして、わたしがこの世界に生きている意味をその身に受け止めることができました。
 それもこれも女神様――あなたが与えてくれたこの命のおかげ。
 このことにお礼を言うために、わたしはここまで来ました」

「……」

女神は照れくさそうに顔を背けた。
地上から人々の祈りが伝わってくることは日常茶飯事だ。
だが直接天国にまで来て、しかも願いではなく感謝を言いに来るなんて、創造神としての悠久の経歴の中でも初めてのことだった。

「貴方は……救いを得たのですね」

「はい。記憶を取り戻さなければ、恐らく救いを得たことにも気づかなかったでしょう」

「……フウカも……そして仲間の皆さんも……よくやってくれました」

感謝の意を示すと女神はフウカの額に手をかざし……その記憶を読み取った。

「遥か地底の万魔殿……貴方は地獄の審判を受け、それに勝ち抜き記憶を取り戻したのですね。
 そしてヴァルハラの塔を登り、この天国へ来る装置を起動した……」

そこで女神は首を傾げた。

「この天国に踏み込んだ人間は貴方たちが初めてです。
 この装置を作った人間は――恐らく、実験に失敗しています」

「ひえっ、マジかよ!」

ずっとひざまずいて黙っていたアキが、その事実を知り声を上げた。
一歩間違えば自分たちも亜空間に飲み込まれていた可能性があったということだ。

「アキ! 女神様の前で不敬よ!」
「す、すみません……」

ユマがアキを叱責したが、女神は苦笑しながら答えた。

「いいのですよ。……貴方たちは、既に幸せに生きているようですね」

「ええ」

「俺とユマは、いつも一緒です」

アキとユマの答えに満足した女神に、マナカから質問が飛ぶ。

「じゃ、じゃあ、アタシから質問していいですか!」

「なんですか?」

「アタシが望む幸せは――罪ですか?」

「それは……なるほど」

質問を受けた女神は、質問したマナカの思考を読み取りながらしばし黙考した。

「……無罪というわけにはいきませんね。
 ただ、そうでなければ幸せになれないというのであれば、全く酌量の余地がないというわけではありません」

「本当か! ……本当ですか?」

「死後、どのような審判が下るかはまだ私にもわかりません。
 ですが、不幸せであるよりは、幸せである方が当然いいに決まっています」

私はハッピーエンド主義ですからね、と女神は胸を張って言った。

「やったな、カナヤ!」
「ね、姉さん? うん……」

よくわからないけど、ありがとうございました、とぺこりと頭を下げたカナヤ。
無理矢理でなければいいのですが、と内心つぶやいた女神は、ごほんと咳払いをしたあと、威厳を持ってこう言った。

「――さて、貴方がたの気持ちは受け取りました。
 しかし、この天国は人間たちが居て良い場所ではありません。立ち去りなさい。
 地上に戻ったら、ここに来るのに使った装置を破壊しなさい。再びここに迷い込む人間が現れぬように。」

そして、最後に女神はこう続けた。

「――そして、幸せになりなさい。それが我が子である貴方たちへの、私のただひとつの願いです

そう言って――天地開闢の女神は光と共に去って行った。
それと共に、フウカたちも光に包まれ、天国から去っていった……。

――――

Epilogue...

気がつくと、フウカたちはあの加速装置の前に戻ってきていた。

「……帰ってきたんだね」
「ええ……天国って、本当にあったんですね」

フウカとナオが、しみじみとそう語っている。

「全く、一歩間違えば失敗だったなんて、本当に怖い思いをしたぜ……」
「しかもこの装置を壊さなきゃいけないなんて、人類にとっては損失な気がするわね」

大きい図体をガタガタと震わせているアキと、どこか残念そうな顔のユマ。

「まあ、それが女神様との約束だからな。アタシたちの幸せのためにも」
「……姉さん。さっき言ってたこと、本気なの?」

帰り道で何か話し合った様子の姉弟。カナヤは納得し切れていないようだが……。

「さて、女神様との約束を果たそう」
「この際、派手に決めましょうか」

ナオは余っていた「核撃の巻物」を加速器の部屋に投げ込む。
すぐに扉を閉め、離れてしばらく待つと、部屋の中で轟音が鳴り響いた。

「これで――天国はまた手の届かぬ世界になったね」
「ええ……でもこれで良かったんでしょうね」

フウカは自然とナオの手を握り、空を見上げていた。

「これで、わたしは本当にこの世界の住人になれた気がするんだ
「なにを言ってるんですか。フウカさんはとっくにこの世界の人じゃないですか。疎外感でも感じてます?」

ナオが不満を垂れる。それに対し、フウカは――珍しく表情を浮かべ、ナオの眼をはっきりと見てこう言った。

わたしも、この世界で幸せになる権利がある。そう思えたのさ」
「ふ、フウカさん!? もう……急に恥ずかしいこと言わないでください」

そのフウカの表情は……いつぶりか自分でも覚えていない、笑顔だった――

――――

フウカたちが塔から出てくる。
城壁は夕焼けで真っ赤に染まっていた。

流石に皆疲れたのか、壁に寄りかかってじっとしていた。壁は夕暮れの熱で温かかった。
やがて、お天気雨が降り出してきた。

こんな雨をずっと待っていたような気がする。
雨を浴びながら、しばらく立ち尽くしていた。

そのとき急に、仲間がフウカの名前を呼んだ。
自分たちに迎えが来ている。次なる冒険が自分たちを待っていると。

フウカたちは塔を立ち去っていく。
仲間たちは皆、いつの間にか笑っていた――

泡いっぱいの日々を ~L'Ecume des Jours~ -FIN-

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――完――

あとがき

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本来のエピローグはこんな感じでした

ということで『泡いっぱいの日々を』、これにて完結です。
前回の茶番を書いた時点ではまさか「天国を目指す」なんてストーリーが待っているとは思わず、違和感なく続きを書くことが出来ました。
ストーリー面としては非常によく収まってくれて、本当に適当に選んだシナリオとは思えない、良い余韻を感じることが出来ています。
もちろんフウカ一行抜きでもいいシナリオです。

ゲーム部分については、Wiz系でありそうであまりない「マップ内にお宝がたくさん落ちている」タイプのマップデザインでした。
お陰でドロップ運がなくてもある程度の装備は手に入る他、以前やった『ガーブの宝珠』とは違う形でビショップの存在価値を大きく高めることに成功していたと思います。

一方で難易度はそれなりに高く、各階層のボスがやたらと強いのでちゃんと育てたりアイテム収集したりしないと結構大変です。ドレイン持ちがほとんど居ないのは優しさだなぁと思いますが。

ただ、本編がLv12前後でクリアできるようにかなり緻密にバランスが取られていた一方、裏ダンジョンは最初の最初からラスボス以上の攻撃性能を持った敵がガンガン出てくるようになっています。
経験値もべらぼうに高いのでこっちのレベルもどんどん上がり、やがてそういう敵ですら楽勝になってしまう凄まじいインフレぶり。本編の緻密なバランス調整は何だったのかと思わされてしまうような大味ぶりになっていました。
それでも苦戦できる裏ラスボスの実力は流石といったところでしたが、個人的には本編の延長線上のバランスの方が好みだったなぁと思います。

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最終レベルは裏ラスボス撃破後のレベルアップをしていない状態で
フウカ(Sam)Lv79 アキ(Fig)Lv120 マナカ(Lor)Lv77
カナヤ(Nin)Lv70 ユマ(Bis)Lv82 ナオ(Mag)Lv109
平均で89.5でした。

このレベルだと、結局ヒールパーティーの回復が尽きない限りダメージではほぼ死なないので、
結局即死を受けるか受けないかだけになってしまいます。バランス面としては相当に大味であるといえます。

本編は緻密なバランス、裏ダンジョンはインフレで超大味と両極端に分かれたシナリオです。
この2つの顔を楽しめるかどうかがこのシナリオの評価に関わってくるといえるでしょう。

個人的には、『直下の戦線』が事実上Lv30程度をレベルキャップとしてバランスが丁寧に組まれていたのと比べると、やっぱり大味すぎるのは好みに合わないなぁと……。
今後のシナリオ選択でインフレシナリオはあまり選ばないかもしれません。

本連載もお読み頂きありがとうございました。
次回のシナリオは『聖者の経典』を予定していますが、かなり高難易度かつ長編らしいので途中で『Pokemon LEGENDS アルセウス』の発売日を迎えてしまいそうですね……。