Tea-Wi's Peaceful World

プレイしたゲームとかの記録をつれづれと( ❛‿❛ )

昔ながらのスクウェアRPG――『ライブアライブ』(Switch版) プレイ感想

ライブアライブ』タイトル画面

以前から総帥にオススメされていた『ライブアライブ』リメイク版のプレイ感想です。
良いゲームです、良いゲームですが……自分のゲームの評価軸が人とやや違っていることを再確認させられるタイトルでもありました(今度別エントリにまとめるかも)。

なお、本記事においてはネタバレに配慮していません
当初はネタバレを避けて書くつもりだったのですが、本作のレビューにおいて隠しシナリオ2つに言及しないわけにはいかないので触れていくことにします。ご了承を。

なお、完全初見プレイでリメイク前のSFC版も未プレイです。

【権利表記】
©1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN
© 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD.
© 1994, SHOGAKUKAN Inc.
Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata, Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa, Kazuhiko Shimamoto, Yumi Tamura
記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。

7つのシナリオと隠しシナリオ2つ

プレイ順に並べます。

近未来編『流動』

影山ヒロノブのアツい主題歌から始まる

リメイク版ではシナリオ選択画面でデフォルトカーソルが合っているシナリオ。
アツい主題歌で始まるあたり開発の一推しだったりするのでしょうか。

超能力とロボットを巡る戦い、そして謎のトイレへの拘り
初っ端からギャグ要素強めなシナリオですが、締める部分はしっかり締めていていい感じでした。
極めて個人的な事情であまり感情移入できませんでしたが、その理由があまりにアレなのでここでは伏せておきます。

主人公は「アキラ」(デフォ名、以下同じく)。
血気盛んな超能力少年ですが、どちらかというと遠隔攻撃や補助が得意な主人公のイメージにはやや反しているタイプ。
全体的に補助は強力なのですが、技のエフェクトが非常に長いのが欠点。

SF編『機心

キシンではない。

キングベヒんもスがあらわれた!

 

乗組員のメカニック・カトゥーに寄って生み出された作業用ロボット「キューブ」が主人公。
ロボットなので一切喋らない。けど効果音で感情表現しているようにも聞こえる。
そしてかわいい。

他シナリオとは異なり、閉鎖された宇宙船内の複雑な人間関係、脱走した生物「ベヒーモス」の恐怖、そしてサブタイトルの「機心」の本当の意味。
戦闘がミニゲームを除けばボス戦しかないという異色のシナリオでもあり、RPGというよりはホラーアドベンチャーとしての色合いが濃いシナリオとなっています。

全体的に本作のリメイクとしての出来は一長一短というのが個人的評価ですが、SF編に関してはリメイクされた要素が演出面で大きくプラスに働いており非常に良い出来でした
全シナリオで一番プレイしていた印象が良かったシナリオ。

幕末編『密命』

全部倒せば目撃者はいないな!

密命に従い、炎魔忍軍の若き忍び「おぼろ丸」が尾手城に囚われた要人を救出し、大名尾手院王の野望を阻止するシナリオ。

舞台は尾手城のみですが非常に探索しがいがある忍者屋敷となっており、自由度も高くかなり遊び甲斐があります
即刻任務から逃げ出して抜け忍にもなれますが、追っ手がクソ強いので逃亡に成功したことはないです。

撃破した敵のスコアが記録されるため、0人斬りや100人斬りを目指すのも一興……らしい。ちなみにわたしは93人斬りでした。
雑魚敵にいちいち名前が付いているのだがカオスのひと言。天草四郎やら宮本武蔵やら淀君やら……。

シナリオ面で一番気に入ったのがSF編ならゲーム面では幕末編が一番印象が良かったですね。

功夫編『伝承』

我が拳は一子相伝!!

中国拳法「心山拳」の老師となり、伝承者となる弟子を探す話。
最後は老師と伝承者は敵対する義破門団との戦いに臨みます。
功夫編の主人公は老師ですが、最終編に登場するのは伝承者となった弟子という特殊なシナリオ。

弟子はレイ、ユン、サモの3人。途中の修行戦闘をこなした回数によって分岐するようですがプレイ当時のわたしはそれを知らなかったため、ほぼ均等に鍛えたつもりが最終的にレイが伝承者になりました。

レイ、「水鳥脚」なんて技持ってるけどやっぱり元ネタは南斗の彼なんですかね……。このゲームだと紅一点だけど。

現代編『最強』

突如始まる格ゲー(ただし戦闘システムはいつもの)

(1994年当時の)「現代の流行」を反映した格ゲー風のシナリオ。ほぼ戦闘のみで完結するため非常に分かりやすい内容です。戦闘システムまではもちろん変わりません。
本作のBGMの担当は下村陽子さんですが、そもそも下村さんはカプコン在籍時に『ストリートファイターII』の作曲も手がけているので本当にドンピシャな人選といえるでしょう。

スモウレスラーがハワイ出身なあたりに当時の大相撲の小錦や曙の人気を垣間見れたりと何かと時代を感じます。

主人公は「高原日勝」。最強を目指すため戦った相手から技を盗み取るというコスいやつ。FF5でいえばモンクに見せかけた青魔導士ですね。
このシナリオでは一切レベルアップしないため、技のラーニングをこなしていかないとラスボス戦が厳しいです。

原始編『接触

一切セリフがない原始編

原始時代の少年「ポゴ」と相棒の「ゴリ」がさらわれたヒロイン「べる」の奪還の為に奔走するシナリオ。

このシナリオの特徴といえばなんといってもセリフらしいセリフが全くないこと
まだ言葉がなかった時代ということで身振り手振りとキャラの表情、ボイスだけで全てを表現してくれます。テンポがいい。

SFC当時のスクウェアのコミカルな部分が前面に出てるシナリオ。
割とやりこみ要素も多く、裏ボスもいるようですが発見できませんでした。

西部編『放浪』

西部劇の拳銃の世界にガトリング砲を持ち込む無粋ぶり

賞金首の凄腕ガンマン「サンダウン・キッド」となり、「サクセズタウン」を守り抜くシナリオ。
相方となるライバルマッド・ドッグのツンデレぶりがあまりに笑える。

住人たちと協力しながら町のあちこちに罠を仕掛け、ならず者「クレイジー・バンチ」の集団から町を守るのが目的。時間制なので罠を仕掛けるのは急がねばならない。

中世編『魔王』

おお 勇者よ! よくぞ来た! 褒美に死をやろう!

ここはよくあるファンタジーRPGの世界。そしてここは埼玉県川越市

喋らない主人公オルステッドと相棒ストレイボウが魔王を倒すため、かつての勇者ハッシュと僧侶ウラヌスと共に魔王山へ討伐へ向かう話。
実際はいろいろとどんでん返しがあるんですが、あまり語りすぎない方が良いと思うのでこれだけにしておきます。

他の短編シナリオと違いエンカウントがランダムだしイベントが長いしで若干テンポの悪さが目立つシナリオでした。

最終編

キューブの格好は「まともじゃない」らしい

ここまでの個別シナリオの主人公任意のキャラを主人公として選び、中世編の世界の君臨する魔王討伐に挑む。他のシナリオの主人公も仲間にできる。(1名を除くが)

自分は一番気に入った主人公だったキューブで挑みましたが、キューブはロボットであるためレベルが固定で、敵のエンカウントが味方側のレベル合計に依存するという仕様上、後半は雑魚敵からほとんど経験値が入らなくなります。
結果、低レベルプレイを強制されてかなり苦労しました。可愛かったけど。

エンディング分岐がいくつかあるようですが、自分は「NEVER END」になりました。

バトルシステム

位置取りと向きが重要なバトルシステム

本作のバトルシステムは「チェッカーバトル」と呼ばれています。
位置取りが非常に重要で、技によって攻撃の距離・範囲が決まっているSRPGっぽさを兼ね備えたバトルになっています。ターンは素早さのステータスとゲーム内時間に応じて回ってきます。

プレイヤー側はターンさえ回ってくれば移動・向きの転換が可能ですが(もちろん時間は消費する)、敵は移動や向きの転換にもターンそのものを消費するため、これらの管理が非常に重要。
特に強制的に向きを変更させる技は上手く行けばほとんど完封できたりもします。

技には属性などが設定されていて、弱点を突いて耐性を避けるのも重要。
本作は常時敵の弱点・耐性を確認できるため、弱点を突くことが前提のバランスになっています
またMPなどのリソースは存在せず、HPも戦闘後に全回復するので常に全力を出せます。

1戦闘が長くなりがちなのが欠点ですが、大多数のシナリオではシンボルエンカウントとなっているためストレスフリーなのがグッド。肝心の中世編・最終編がランダムエンカなんだけどな!

基本的には良いバトルシステムなのですが、一部の強敵(ラスボスとか)は文字通りの画面全体攻撃ばかりで、そもそも位置取りを活かせなくなっているあたりが微妙に惜しいと感じました。

ボイスを付けるなら名前は変更不可にしてほしい

前からずっと思い続けていることなのですが……。

ボイスを付けるなら主人公の名前変更はなしにしてほしいです。

というのも、名前を変更可能にしてあるせいで、イベントシーンのボイスが名前の部分だけカットされてたり、別の言い回しになっていたりしてめちゃくちゃ不自然なんですよね……。

最近のゲームだと良くあるスタイルですが、せっかくボイスを入れているのにボイスを入れてないよりも没入感を削いでいると感じます。マジで止めて欲しいです。

もちろん本作に限った話じゃないです(以前プレイしたゲームなら『ファイアーエムブレム 風花雪月』なんかも同様でした)。

tea-wind.hatenablog.com

ただ、本作はレトロRPGのリメイクなんですから、尚更その辺りを再検討する余地はあったのではないかと感じてしまいますね……。
どうしても名前変更できるままにしたいならそもそもボイスなど入れなければ良かったのでは……とも思います。

ボイスを入れるなら、せめてデフォルト名の時だけでもちゃんと字幕通りに読み上げてほしいと思います。

自分はそもそも、ボイス自体はあっても加点要素にはしないタイプです。逆に「ない方がマシ」という意味で減点要素にすることはありますが。
ただ本作ではSF編で印象的な演出にも使われていて全否定するほど悪くはなかったかなとは思います。
だからこそ前述のような点がとにかく気になってしょうがないんですけどね……。

総評

良くも悪くも旧スクウェアRPGです

特に中世編以降はイベントの冗長さ、ゲームテンポの悪さが表に出てきて非常に惜しい。
自分は中世編~最終編のシナリオにそれほど関心がなかった関係で冗長さばかりが目立っていた印象で、RPGにおいてシナリオを重視しないタイプであることがモロに引っ掛かったといえるでしょう。

正直なところ、「定価(7,480円)で買っていたら後悔しただろうゲーム」には該当していますが、現在の値崩れ状態の相場で買う価値はあるタイトルかと思います。
ちなみに自分が購入したときは2,980円(新品)でした。
SFC時代のゲームのリメイクでフルプライスってのはちょっと攻めすぎなんじゃないかなぁというのが本音です。豪華リメイクには違いないんでしょうけどねぇ……。