『ルーンファクトリー5』が発売された関係であまりモンハンをプレイしていないのですが、Twitter上で例の初プレイの方からハイニンジャソードに推奨されるスキルについて質問がありました。
その場で簡単には答えましたが、ちゃんとハイニンジャソードの性質を考察しておく必要があるなと思ったので、改めてブログ記事としてまとめておくことにします。
ver2.0アップデートで突如爆誕し、会心率100%という圧倒的なインパクトを持ってTwitterのトレンド入りまで果たした片手剣、ハイニンジャソード。
製作難易度もそう高い物でなかったため、片手剣使いの間で爆発的な人気を博し、同じく高性能で話題となったクイーンレイピアと共に片手剣使いのコミュニティを「ござる」「ですわ」で塗りつぶした武器です。
しかし、会心率100%という部分のインパクトのあまり、他の性能について顧みられていることはそんなに多くない気はします。
MHRiseの片手剣を語る上で、絶対に外すことができない1本。
その強さの真髄とは、如何に。
ハイニンジャソードは何が強いのか?
あまり数値データを並べるのは好みではないのですがあえてここでは数値データを並べてこのハイニンジャソードがどのようなスペックを持つのか、再考察してみることにします。
基礎スペック
攻撃力200 無属性
会心率:100%
斬れ味:緑240/匠Lv5時:青50
期待値:262.5/匠Lv5時:300.0
スロット:Lv1-1-1
百竜スキル:鉄蟲糸技強化、操竜の達人、人魂鳥倍加
ここで「期待値」という言葉が出てきましたが、ここでモンハン界隈でよく使われる期待値という言葉について解説しておきます。
言うまでもありませんが、モンハンの武器のスペックは攻撃力だけでは決まりません。斬れ味であったり会心率であったりと、攻撃力以外の面でダメージに影響を与える要素がいろいろありまして、そのあたりの数値計算をしたものが「期待値」となります。
ハイニンジャソードでは、会心率100%と斬れ味ゲージ緑*1/青*2の補正値を計算したものが期待値です。
このカタログスペックから、様々な面に着目して考察していきたいと思います。
会心率100%の「強さ」
言うまでもなく、ハイニンジャソード最大の特徴は会心率100%です。
デフォルトでの会心補正は1.25倍ですから、事実上「常時攻撃力1.25倍」という特殊能力を持った武器と呼ぶことができます。
攻撃力が25%増えるのがどのくらいかというと、本作の片手剣の属性ダメージの比率は武器や相手モンスターに依りますが、まず2割を超えることはありません。
以前の記事でも考察しましたが、1割を超えれば多い方です。
tea-wind.hatenablog.com
これが何を意味するかというと、同じ攻撃力200の武器ではどの属性武器よりもハイニンジャソードの方が強いということです。
また、会心率100%という特性から様々なスキルとのコンボが考えられます。
代表的なのは言うまでもなく「超会心」でしょう。
この超会心というスキルは知名度が高いですが、実はよほど会心に特化したスキルを組まない限りは大きな効果が期待できないスキルです。ですから、他の武器であれば「弱点特効」「見切り」「力の解放」「渾身」……などといった会心率を強化するスキルと組み合わせて使います。
しかし、これらのスキルで常時効果が発揮されるのは「見切り」だけで、その分スキルレベルに対して効果は低めです。他のスキルは発動条件が設定されており、その条件を満たさなければ会心率上昇効果を発揮できません。
しかし、ハイニンジャソードならその効果をいつでも、確実に、モンスターの肉質に左右されず、他のスキルの補助なしに受けることができるのです。
超会心Lv3では会心補正が1.25倍から1.4倍になり、期待値が1.12倍されます。これは攻撃スキルLv7に匹敵する強化値であり、Lv3のスキル単体でこれほどの補正が得られるのは破格です。
ほかにも「達人芸」というスキルとも相性が良いですが、そちらは次の斬れ味の項で語ることにします。
特異な斬れ味
緑ゲージ編
片手剣において斬れ味は重要です。
手数が多く斬れ味消耗が激しいのに、双剣や操虫棍のように武器種そのものに斬れ味が減りにくくなるような仕様*3がありません。
そのため、斬れ味が短い武器では盾攻撃を織り交ぜて斬れ味消耗を減らすような工夫をしている片手剣使いも多く、本作では「バッ旋*4」という言葉が流行しました。
斬れ味が白から青に落ちると約10%、青から緑に落ちると約14%物理ダメージが減ります。例え白ゲージの武器であっても、攻撃しすぎてすぐに緑ゲージに下がるようだと、2割以上ダメージが減った状態で戦う時間が多くなってしまうわけです。
斬れ味を延ばすスキル「匠」や、斬れ味を減りにくくするスキル「業物」が人気なのはこのような事情があります。
そこでこのハイニンジャソードの斬れ味を見てみましょう。
ハイニンジャソードは通常緑ゲージですし、匠を付けても青までしか出ません。
同じ攻撃力200の武器を見ると、「王牙剣【折雷】*5」のように白ゲージでも戦える、もっと斬れ味に優れた武器もあります。
それと比べると、ハイニンジャソードは斬れ味面ではあまり優れていないように見えます。
しかし、その本領は「斬れ味の長さ」にあります。
ハイニンジャソードの緑ゲージは240回分もあります。
しかも実際は滅・昇竜撃やフォールバッシュなど斬れ味を消耗しない攻撃も使うでしょうから、それを踏まえると大体300回程度の攻撃を斬れ味を落とさないまま行うことができるのです。
いくら片手剣といえど、これほどの長さがあればほぼ確実にモンスターのエリア移動の方が先に来ます。事実上、「戦闘中に斬れ味が落ちる心配がない」といえます。
これほどの回数攻撃していれば他の武器も緑ゲージ、悪いものなら黄色ゲージ以下に落ちています。
実際に先ほど例に挙げた王牙剣【折雷】でハイニンジャソードの緑ゲージと同じ量斬れ味を消費すると、なんと橙ゲージまで落ちた上にその大半も使い切り赤ゲージ目前という大ピンチの状態です。当然、ここまで来る前に戦闘中に研ぐことを考えなければならないでしょう。
しかし、いくら長いといえど緑ゲージ。青ゲージとの威力差は約14%ありますから、さして強力なダメージは望めないのではないか、と思われるかも知れません。
そんな武器のために、「鈍器使い」スキルがあります。
鈍器使いLv3は、緑ゲージ以下の斬れ味になったときに攻撃力を1.1倍する効果があります。
緑ゲージと青ゲージの威力差は通常約14%ですが、この威力差を約4%まで抑える効果があると言えます。
ここまで迫れば、戦闘中砥石を使わなくて良いという立ち回り上のメリットで十分カバーできます。
戦闘中に研ぐのは大変リスキーで、転倒時などの攻撃チャンスを犠牲にしたり、ガルクに乗って逃げ回ったりしながら研ぐことになります。当然その間は攻撃出来ませんから、その部分を全て攻撃に変換出来ることは大きなメリットがあります。
様々な武器で運用できる鈍器使いスキルですが、ハイニンジャソードとはこのように強烈な好相性を持ちます。
また、緑ゲージ武器と言うことは「心眼」スキルと相性が良いです。
斬れ味が悪いほど効果範囲が増えるこのスキル、緑ゲージでは肉質42以下の部位に攻撃した際にダメージが1.3倍になります。
肉質42の部位を殴った際に肉質を54まで引き上げるスキルとも言えますが、最大の弱点部位は大抵肉質55以上なので、常に弱点を殴り続けられるなら必ずしも必要と言えるスキルではありません。
しかし、片手剣という武器種はリーチの短さが悩みの種。全ての攻撃を手数を減らすことなく弱点に命中させ続けられるのは超一流ハンターだけであり、少なくともわたしには現実的ではないです。
部位破壊狙いではそもそも弱点が狙えない場面も多いですし、大いに活きるスキルです。
青ゲージ編
さて、ハイニンジャソードは匠スキルで青ゲージが出ますから、これを使うということも考えられます。
上で散々述べましたが、青ゲージなら緑ゲージの約1.14倍の物理ダメージになり、鈍器使いスキルでも迫ることはできても逆転まではできません。
ですから、ハイニンジャソードで最大火力を目指すなら青ゲージ運用を考える必要があります。
しかし、匠Lv1から青ゲージが出るとはいえ長さは最大でも50。そして匠スキルは装飾品はLv3、防具も限られていることから非常に重いスキルでして、Lv5まで発動させようと思うと他のスキルを大変圧迫します。
そのコストの重さに、上述した長大な緑ゲージという強みを捨てるほどの価値はあるのか……という点が悩ましいところです。
こんなハイニンジャソードを救うスキルがあります。「達人芸」です。
達人芸Lv3では、会心ヒットが発動した際に80%の確率で斬れ味の消費を無効にします。
ハイニンジャソードの会心率は100%ですから、常に斬れ味の消費を8割カットするという恐ろしい性能を発揮します。期待値的には、斬れ味の長さが5倍になったのと等しい効果があるわけです。
これを匠スキルと組み合わせると、匠1段階につき斬れ味を事実上50延ばす効果に変貌します。匠Lv1が5レベル分に化けるわけです。
これを考えると、達人芸Lv3に匠Lv2で実質青ゲージは100、匠Lv3なら150というとんでもない長さのゲージを持つ武器に化けます。
実際の狩猟で斬れ味100は十分に手数を稼げていれば使い切る可能性がある量に相当し、150ともなると使い切らずにモンスターがエリア移動することがほとんどです。
しかし、再度申し上げますが匠スキルというのは大変重く、匠スキルを積んだ結果他のスキルが積めなくなることも多々あります。あえて匠をLv1~2に抑え、盾攻撃中心で斬れ味消費を抑えるというのも選択肢です。
ちなみに上述した心眼スキルですが、青ゲージになると一気に適用範囲が狭まり、実用ラインとは言い難くなります。
緑運用と青運用、どちらがいいか
「鈍器使い+心眼」セットの緑ゲージ運用。
「匠+達人芸」セットの青ゲージ運用。
結論から言うと「どっちも強いので両方のマイセットを準備しておこう」となるのですが、あえて比較してみましょう。
まず、緑ゲージ運用は広い部位に心眼スキルを適用できるため、弱点を狙い続けるのが難しいモンスターに強い運用となります。
代表的なのはなんといってもテオ・テスカトルでして、前脚や翼が心眼で大きくダメージを伸ばせる肉質で清々しいほど緑ゲージ心眼向けの肉質をしています。
そしてテオの正面はブレスやら粉塵やらノヴァやらをまき散らす超危険地帯でして、無理に弱点の頭に接近すると被弾がかさみます。下手をすれば死にます。
この運用なら無理に正面に立たなくても高いダメージが出せますから、安定して戦うことが出来ます。
テオは特に極端な例ですが、他にも似たような肉質を持ったモンスターはたくさんいます。
また多少硬い部位でも高いダメージが出せますから、部位破壊が得意であるというのも大きな利点です。
一方の青ゲージ運用ですが、弱点部位を狙い続けられるなら緑運用より強いです。
トビカガチやバゼルギウス、ティガレックスなどのように片手剣のリーチでも狙いやすい部位が柔らかい相手だったりすると使いやすくなります。
安定性の高い緑運用と比べるとプレイヤーの腕が試される構成ですが、それに見合った威力が出ます。
匠のレベルを抑える場合は盾攻撃を増やすなどの工夫も必要ですが、それでも弱点を殴り続ける限りは緑ゲージ運用より強力となります。
百竜スキル:鉄蟲糸技強化
結構レアな百竜スキルである「鉄蟲糸技強化」。
その効果は鉄蟲糸技の威力を1.1倍に引き上げるというものでして、滅・昇竜撃という圧倒的浪漫技がある片手剣にとっては追い風です。
ただしあくまで鉄蟲糸技部分の強化であって、直後に派生するフォールバッシュなどには適用されません。
他の百竜スキルにあまり魅力がないため、実質これ1択です。
……さて、これだけでもまあまあ強いこの百竜スキル。滅・昇竜撃はガード判定を持つカウンター技ですから、スキル「攻めの守勢」を重複適用することが出来てしまいます。
攻めの守勢はLv3ではジャストガード直後から一定時間ダメージが1.15倍となるスキルですが、滅・昇竜撃は技の性質上必ずジャストガードになるため、必ず効果を受けることができます。
ちなみにこちらはちゃんと直後のフォールバッシュ~着地後のコンボまで効果が持続し、旋刈りまで入れられるので強烈な数字を出せます。
この両スキルを発動した滅・昇竜撃の威力は1.265倍となり、直後のフォールバッシュ~地上コンボにも1.15倍の補正が乗るという切り札にふさわしい強烈な威力を叩き出します。
滅昇竜×攻めの守勢
— ** T.W ** (@Tea_Wind) 2021年5月9日
ヤバいダメージが出ています
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ただし、攻めの守勢スキルは装飾品が匠と被るLv3であるという欠点があり、青ゲージ運用との併用は少々難しいのが欠点です。
またあくまで滅・昇竜撃ありきの構成ですから、あまり昇竜を使わないプレイヤーにとってはあまり魅力がないスキルかもしれません。
……実はガード性能を積んでガード斬りカウンターからのジャストラッシュという更なる浪漫運用もあったりします。流石に他のスキルが犠牲になるので推奨はしませんが……。
武器スロットLv1-1-1
火力スキルはLv2スロットに集中しているのでLv1スロットばかり充実していても……という感じですが、Lv1スロットも決して侮れません。
Lv1スロットには状態異常耐性・属性耐性・気絶耐性・防御といった生存系スキルやひるみ軽減などといった便利スキルがずらりと揃っており、更に斬れ味の問題がほぼない武器故に砥石使用高速化があまり重要でないため、Lv1スロットを有り余った状態にすることができます。
鉄板のひるみ軽減Lv1や気絶耐性Lv3を揃えても大抵余るので、相手によって状態異常耐性や属性耐性など、破格の柔軟性を発揮することができます。
本当に入れたいスキルが特にないときは「スタミナ奪取」なんてのもあったり……。
他の片手剣との比較
さて、ここまでその性能の高さを並べてきました。
実際大きな欠点はなく、専用のスキル構成が必要とはいえ飛び抜けて優秀な武器です。
しかし、ここまで並べてもダントツの最強武器には至らないという絶妙なバランスこそがハイニンジャソードの魅力であり、単なるぶっ壊れ武器ではない奥深さを持っています。
例えば、物理性能。
会心率100%といえど攻撃力200・緑ゲージというスペックは高いとは言い難く、匠なしでの期待値は全片手剣中で5位と上位には位置していますがトップというわけではありません。
匠込みではギリギリでトップとなりますが、そもそも匠要らずの白ゲージと高い物理性能を持つ「轟剣【虎眼】」なんて武器があり、匠を使わない分のスキル構成の差で普通にひっくり返されます。
他にもほぼ横並びの期待値に毒属性も兼ね備える「クイーンレイピア」、青ゲージが長く同様に匠なし運用が可能な「クギバット」など、ハイニンジャソードの独走を許さない武器はいくつも存在します。
例えば、武器スロット。
Lv1-1-1は確かに優秀ですし防御面で破格の生存性を手に入れることができますが、それでも火力を追い求めるならLv2スロットがないことは欠点になります。
上位陣の片手剣でLv2スロット持ちは余り居ないのですが、「ゴシャガザクゥ」や「闇夜剣【昏冥】」などの存在は気になるところでしょう。
こんな感じで、ハイニンジャソードはぶっちぎり最強というわけでもないというのが実情です。
しかし、トップ層にいるのは間違いないし、なにより上記の特徴的な斬れ味による優れた運用性は他の片手剣では実現できないものです。
トップクラスの攻撃性能を持ちつつ、それ以上に便利な優れた運用性、それこそがハイニンジャソードの強さではないかと思います。
装備一例
最後に、わたしが実際に運用している装備の例を紹介しましょう。
ハイニンジャソード構成例。
— ** T.W ** (@Tea_Wind) 2021年5月23日
攻めの守勢スキルで滅昇竜の威力を底上げし、翔虫使いで3ゲージを維持しやすく。
回避系スキルで生存性も確保してます。
#モンハンライズ #MHRise #モンハン #NintendoSwitch pic.twitter.com/DIjEviH05x
ハイニンジャソード(スロLv1-1-1)
ジュラヘルム
ヴァイクSメイル
レックスSアーム
ジャナフSコイル
ハンターSグリーヴ
山嵐の護石(回避性能Lv3 翔蟲使いLv1 スロLv2 レア5)守勢珠【3】×1 超心珠【2】×3 鈍器珠【2】×1 心眼珠【2】×2
耐絶珠【1】×2 耐衝珠【1】×1 空きスロLv1×4攻撃Lv4 超会心Lv3 心眼Lv3 鈍器使いLv3 回避性能Lv3 気絶耐性Lv3
攻めの守勢Lv2 回避距離UPLv1 ひるみ軽減Lv1 翔蟲使いLv1
緑ゲージ運用の基本を抑えつつ、攻めの守勢Lv2と翔蟲使いLv1で滅・昇竜撃の威力を底上げしています。守勢Lv3に持っていくのはスキル構成的に無理でしたが、Lv2でも1.1倍ですし十分強力です。
回避性能と回避距離で生存性も確保し、Lv1空きスロで相手ごとに対策を組み替えられます。
純粋な火力はもっと高い構成も組めますし実際に用意もしていますが、安定して戦える便利さという意味ではかなり有用ではないかと思います。
なお、レア5といいつつかなりの神おまを採用していますが、攻めの守勢を諦めればLv2スロットが付いたお守りだけで同じスキル構成を組めるようです。
それではニンジャの皆さん、よきハンターライフを。