Tea-Wi's Peaceful World

プレイしたゲームとかの記録をつれづれと( ❛‿❛ )

ファイナルファンタジーII(FF2) ピクセルリマスター版 プレイ感想

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FF2 タイトル画面

前回のFF1に続き、今回はFF2です。

もともとFF界きっての問題児とされるタイトルですが、今回のリマスター版は特に大問題児でした。
回避率至上主義」で有名なゲームで、回避率を極端に上げにくくするとは何事ですか!

こちらも既に投稿したSteamレビューとほぼ同内容ですのでご了承を。

隊列の仕様変更が生んだもの

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きさまら はんらんぐんだな!

クリアタイムは10時間8分。

FF1,3もそうですが「オリジナル版ベース」という公式の文言は全く当てになりません。
グラフィックがオリジナル版ベースというだけで、物価や宝箱配置、ダメージ計算等はGBA版ベースになっています。
一度上がったステータスは下がりませんし、10戦するだけで最大HPは自然に上昇していきます。

ピクセルリマスター版は更に独自の調整がいろいろと加えられていますが、残念ながら元々のFF2の独自仕様と相性が悪く、「歴代リメイクでもゲームバランスは良くない方」であると指摘せざるを得ません。

最大の難点は「隊列」の仕様変更です。
元々のFF2は

「前列は『たたかう』を敵に当てることができ、また敵の通常攻撃のターゲットになる」
「後列は弓以外で『たたかう』を敵に当てることができないが、敵の攻撃のターゲットにもならない」

という仕様でした。『Wizardry』を彷彿とさせる仕様ですね。

これが本作ではFF3以降のように「後列でも敵の攻撃のターゲットになるが、被ダメが減少する」という仕様になりました。
一見後の作品に合わせられただけで大きな問題ではないように見えるのですが、これがFF2の仕様と致命的に相性が悪いのです

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「回避率至上主義」の代名詞、クアール。
回避レベルが不十分な状態で先制攻撃されるとたった1ターンでこうなります。

FF2をご存じの方なら「回避率至上主義」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
本作は終盤の敵がヒット数分の割合ダメージだの即死石化などの致命的な状態異常が付与されている耐性無視の物理攻撃を連発してきます。
つまりどれほどHPを高めようが耐性付きの防具を固めようが、物理攻撃がヒットした時点で死あるのみという恐ろしいゲームです。
このあたりのゲームバランスは本リマスター版でも大きくは変わっておらず、終盤は「そもそも敵の攻撃を受けない」というのが大前提です。
回避率を上げることは他にもいろいろと有利点があるのですが、本質的な理由はここになります。

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ステータス画面。回避率の「4×99%」の「4」が回避レベル、「99%」が回避確率を指す。

そして「回避率」は詳細には「盾などを装備することで上げられる回避確率(パーセント)」「敵の攻撃のターゲットになると成長する回避レベル(回数)」の2つに分かれています。

前者の「回避確率」は、盾を装備して「たたかう」をしていれば盾のレベルが上がって自然と上昇し、やがて99%に到達するので特に問題はありません。
後者の「回避レベル」の成長速度というのは、もともと「前列キャラを少なくする(多くても2人程度)」を前提にゲームバランスが設定されています。しかし、本作の後列でも敵に狙われる仕様だと回避レベルの成長が極端に遅くなってしまうのです

かなり回避レベルの成長を意識してゲームを進めましたが、それでもラスダンにさしかかる頃でも回避レベルは3~4にしかなりませんでした。ラスダンの主要敵の攻撃回数は8回にのぼるため、この回避レベルでは到底避けきることは不可能です。
極力回避回数を上げる魔法の「ブリンク」を駆使して進みましたが、敵の先制攻撃でたった1ターンで3人が殺されたこともありました。

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ハイポーションが500も回復するようになったのは追い風。
過去の機種では200程度しか回復しなかった。

幸い、「ハイポーション」が大幅に強化され、避けきれずダメージを受けているだけの状態なら簡単にリカバリーできます(FC版ではこれすらままならないゲームバランスでした)。
しかし終盤の即死だったり割合ダメージのラッシュは流石に厳しく、回避レベルが低い状態では戦闘の生存性は運に大きく左右されます

隊列の仕様変更さえなければここまで厳しいバランスにはならなかったと思うので、なんとか元に戻してもらえないかなぁというのが本音です。
もちろん意図的な稼ぎをすれば回避回数を十分に上げることも不可能ではありませんが、それだけで数時間は掛かるのは避けられないでしょう。

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従来機種では絶対に逃げなかったため、稼ぎ相手として人気だった「コラム」も本リマスターではこの通り。

さりげなく、従来機種で逃走しなかった敵が逃走するようになってしまったため、そもそも放置稼ぎもままならないバランスになってしまったのも痛手です。

恐らくラストダンジョンの難易度は意図的な回避回数稼ぎをしないプレイにおいては歴代機種でもかなり上位に入る難易度だと思われます。それでもハイポーションを買い込めるだけFC版よりはマシですが……。

原作再現度が高いモンスターのドット絵

評価点についても述べましょう。

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本作の敵グラフィックはFC版を忠実に再現している。

FF2はリメイクで大きくモンスターのデザインが変更されたため、オリジナル版が好きなプレイヤーからは賛否を浴びていたのですが、本作では全てオリジナル版ベースにドットが打ち直されました
特にリメイクで妙に可愛らしくなっていたラミア系やバンパイアガール系などは原作の妖艶な雰囲気が出ていていい感じです。何故かしょっちゅうデザインが変わっていたベヒーモスも原作通りになりました。
BGMのアレンジも素晴らしく、過去のリメイクでは勇壮さを重視したアレンジだった通常戦闘BGMもやや落ち着いたアレンジになり非常に好みです。

総評 ~終盤の難易度はFC版譲り~

総評して、「終盤の厳しさに我慢できるプレイヤーならおすすめ」といったところです。
幸い致命的な破綻に至っているわけではありませんから、現状Steamで購入できる唯一のFF2として「おすすめできる」ゲームではあります。
ただ、本バージョンに厳しさを感じたプレイヤーであれば、GBA版やPSP版を改めてプレイすることをオススメします。

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