Tea-Wi's Peaceful World

プレイしたゲームとかの記録をつれづれと( ❛‿❛ )

『Javardry 直下の戦線』 プレイ記録その20 【クリア後】

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直下の戦線 タイトル画面

**ネタバレ注意**

前回の続き、例のボスとの決戦です。今回も長め。

*おしらせ*
マッピングツールは「方眼紙マッピング」を使用。
・アイコンはいろいろカスタムしています。
・プレイしながら記録していたメモをほぼそのまま載せてます。
・ネタバレに対する配慮はありません。

ダウンロード先等の情報はその1の記事を参照ください。

tea-wind.hatenablog.com

次元の狭間 ~邪悪なる女帝との決着~

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Lv30の大台に到達。

長いレベル上げの末、ついにLv30となった
そりゃもうひたすら次元の狭間の敵をなぎ倒し、数多くの装備を集め、レベル以上にフウカたちは強くなった。
しかしLv31への必要経験値は5億を超えている。この辺りが潮時だろう。

まずやるべきはLv7神聖魔法の習得。聖印はレベル上げの過程でそれこそ唸るほど貯まっている。
前回の記事で述べたとおり、Lv30・教養8で習得確率は9%というのが作者様情報。
狩りの過程で教養を9まで上げることができたので、もう少し確率はマシなはずだ。

欲しい魔法は「聖戦」。探索中永続で命中率を追加ダメージを上げる、元素Lv1「魔剣」の超強化版だ。
在庫は20個は軽くある。これだけあれば習得自体は非現実的ではないだろう……。
……と思ったら3つめで成功してしまった。案外教養1による確率の上昇は大きいのだろうか?
あとは同じく1回の冒険で1回使えればいい「救済」。元素Lv7の「瞬翔」と同じ戦闘中でも使用可能な脱出魔法だ。こちらは7個目で習得成功。

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とりあえず探索中に1回使えればいい魔法だけ頑張って覚えました

他のLv7神聖魔法は全体攻撃の「神罰」、全体回復の「奇跡」、蘇生・状態異常回復の「再誕」、ワープの「巡礼」。
フウカは聖騎士なので殴った方が基本的に良いし、「奇跡」も今ある在庫をアイテムとして持ち込んだ方が断然使用回数が多い。「再誕」なんて戦闘中に使わされるまで追い込まれた時点で実質勝ち目はないし、蘇生以外の状態異常回復なら「浄化」の方が適任だ。
ワープ魔法は全系統にあるので、他系統のものをユマがアイテム使用すればいい。
何にせよ、在庫をわざわざ大量に消費してまで覚える必要はないと判断した。

ひとまず、これが次元の狭間の「女帝」に挑むための最終装備。

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フウカ
グループ気絶攻撃の「神竜の鱗鞭」と「浄化」を無限使用できる「純白の聖剣」を使い分ける。もちろん神聖魔法によるサポートも重要。
装備の都合上持続回復が+6と凄まじいことになっている上に、その他装備枠の「影狼」が攻撃の追加効果に麻痺を付与するという強烈な性能を誇っている。

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アキ
行動速度最重視で、初ターンに「護りの盾」を使用して味方に全属性・状態異常耐性を付与する。攻撃は二の次だが、「雷神の手槍」は威力も十分。
幻星石の指輪」で自身に全耐性を付与しており、万一先行されても無力化されないようにしてある。

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マナカ
鬼神の湾刀」二刀流で圧巻の筋力15! 圧倒的な物理攻撃力のメインアタッカー。
「覇王の剣」がおまけと化しているが、一応持たせてある。フウカから流れてきた「ノブレスオブリージュ」は使用効果の「結界」が強力で、呪文無効化率を上げる時に手が足りない場合に加勢できる。

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カナヤ
上忍秘伝風車」は3体同時攻撃で毒・睡眠を付加できる手裏剣。毒ダメージが非常に大きく、生半可な武器で攻撃するより強い。場合によっては「分断結界」に持ち替えて「隠れる→奇襲」でのグループ即死も狙う。
追跡者のナイフ」と「フェザーブレード」はアイテムとして使う。特に「フェザーブレード」は「加速」の代用になれる最重要アイテム。

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ユマ
月の女神の弓」の使用効果「静夜」は敵全体に睡眠・沈黙をばら撒く無法に強力なアイテム。しかも魔力・速度補正付きという至れり尽くせり。もちろん武器としても強い。
場面によっては「怪物研究書」での防御弱体化も担うが、あまり使う機会はないだろう。「光の盾」はアイテム使用の「穏快」のために持っている。

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ナオ
いつの間にか魔力が凄いことになったナオ。もちろん元素魔法を駆使して暴れてもらうが、MPが持たないので場合によっては「重域」などでサポートにも回る。
仲間のアイテム枠も駆使して魔術書を大量に持ち込み、MP切れ対策にする。

やれることはほぼ全てやったはず。
いよいよ女帝の元に行く。宝箱は一切開けない。アイテム枠がないし、補助魔法が消されたら元も子もない。安全第一で。

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デーモン系ですらもはやただの雑魚というインフレの恐ろしさ

Lv30で上記の装備品ならもはやこの階層の雑魚すら大した敵ではない。ただ速攻で殲滅しないとブレスで一気に削られる場合も多いので、ナオの呪文が頼りになる。
MPがとにかく大事なので、魔術書もガンガン使っていく。このためにレベル上げを中断→再開で敵を復活させるではなく、いちいち城に帰って売却していたのだ。

いよいよ女帝の元に辿り着いた。ナオのMPは6/6/5/5/5/5/6とほぼ万全。

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邪悪なる女帝戦! 前回のようには行かんぞ!

まずは前座である「邪悪なる女帝」戦。
アキは毎ターン「護りの盾」を使用。そして1ターン目は他のキャラも守りを固め……ナオは「至理」を使っておく。
そして2ターン目、フウカは「神罰>の聖印」、ユマは「<氷世>の呪符」を使用! ナオはもちろん「爆光」を唱える。
全体魔法3連打で一気に前列を殲滅し、「邪悪なる女帝」単独になってしまえば何も恐れることはない! Lv27のときが嘘だったかのように楽勝だった。

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スケイリーエンプレス戦。下のPTの体力を見ればわかるようにほぼ万全。

続いてスケイリーエンプレス戦。ほぼ万全の状態での対決だ!
相手は1グループとはいえ5体。「試練」「剥離」で一気に敵の魔法防御力を下げ、魔法攻撃で一気に削る!

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最後に残った首をマナカが切り落とし、ゲームセット!

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女帝を倒し、空間が崩壊する!

倒れた女帝のエネルギーで空間が崩壊する!
だが、この場から弾き出される瞬間、何者かの手に導かれ、気付いたらフウカたちは次元の狭間の別の空間に立っていた。
少し進むと、どこからともなく声が聞こえてきた。聞き慣れたような声で。

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「天の声」を装ってみるが明らかに正体が隠し切れていない。

――邪悪なる竜の女帝は恐ろしく強大な存在であり、人の手によって滅ぼすことなど到底できない。
だが、次元の狭間で彼女を圧倒し、撃退することのできるキミタ……きみたちがいるうちは、その魔の手はラガーナにも世界にも届きはしないだろう。

明らかに聞いたことがあるような声だ。フフッ、とフウカが笑うと、観念したようにその声は自らの正体を明かすのだった。

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「うーん、やっぱりボロが出ちゃったなぁ。
 慣れないことはするもんじゃないね。

 そう、僕だ。レイアードさ。
 といっても本人じゃない。自分でも気付いていない意識の切れ端というか、独り立ちした深層心理というか……
 えーと、どうやって説明すれば分かりやすいかな。

 キミタチと出会った僕って二人いるでしょ?
 キミタチに破れ、星脈を吸収したけど魔剣に見限られた僕。
 キミタチに救われ、王位について星脈を支配する権力を得た僕。
 ……とさ」

ふたりのレイアード。もちろんフウカたちは、彼との友情の証である「幻星石の指輪」を常に身につけている。

「遺跡と一体化してしまった僕は、自分の身に起きたこととは別にちょっとした後悔をしていて……
 暗殺されず王となった僕は、ある懸念を抱いていた。
 ふたりともキミタチに伝えるべきかどうか迷い結局は黙っていたみたいだけど、星脈が気を利かせたのかそれらの意識が融合し、キミタチに届いた……
 それが今話してる僕ってところかな」

時空すら超越するこの次元の狭間。2つに分かたれた歴史を結びつける空間。
それに星脈の力があれば、レイアードの2つの意思を再び統合することも可能と言うことか。
正直この辺の世界の仕組みは難しい。学者のユマだけが納得できた顔をしている。

「まあ、僕のことは重要じゃない。本題に入ろう。
 キミタチと女帝との激戦はその事実が力の余波となって世界中に伝わっていた。
 感覚の鋭い人ならば勇気ある誰かが巨大な悪に挑んでいるとはっきりと分かっただろうし、そうでない人も原因の分からない緊張を肌で感じていたはずだ」

女帝との激しい戦い。それを思い起こしたマナカは、最後の首を切り落とした刀に目をやった。

「キミタチのその強さ、意思の硬さ、そして勇敢さは多くの人の心を打ったんだ。
 女帝が撤退する際に起こる空間の崩壊からキミタチを救った、<とある人物>もそのひとりさ。
 さっき言った後悔と懸念とは、その人物のことだ。
 ――キミタチに頼みがある。その人を救ってあげてくれないだろうか」

フウカたちを「救った」存在、だがその存在もまた、救いを求めているというのだろうか。

「次元の狭間という法則の歪んだ場所において、そのとある誰かさんがキミタチに手を差し伸べたことにより、両者の意識は今、繋がった。
 こんな奇跡は二度と起こらないだろう。キミタチにしかできないことなんだ。」

フウカたちにしかできない。あのレイアードが、そう言った。

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この先で、最後の戦いが待っている。
 引き返して地上に戻ってもいいけど、勇気を持って進んで欲しいな。
 僕はキミタチにお願いすることしかできない……。
 僕では彼女の望みも叶えられないし、その資格もないからね。

 キミタチは、王国を狙う魔法使いをやっつけて、恐ろしい邪竜も退治した。
 ――あとはお姫様を救うだけだ。頼んだよ……。」

レイアードの頼みを聞いて、フウカたちは顔を見合わせる。
悪の魔法使いを倒し、邪悪な竜の女帝を倒した物語には、「お姫様」を救い出すハッピーエンドがあるはずだ、彼はそう言った。

もちろん答えは決まっていた。6人は確かにうなずき、その先へ一歩を踏み出すのであった。
この物語に、終止符を打つために。

――フウカたちは、気高く美しい誰かと意識が繋がるのを感じた。

夢幻領域 ~とある少女の心の空~

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青空の上の美しい空間。ここに居る、「救いを求めるお姫様」とは。

気がつくと、フウカたちは青空のような空間にいた。
不思議なことに、落ちることもなく、吹き飛ばされることもなく――ただ広い空間として、そこにあった。

目の前の扉は「回復の泉」だった。女帝との戦いで傷ついていたフウカたちは万全の状態となり、再びこの空間を歩き出すのだった。

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広大空間に、のんびり暮らす魔物や妖精たち。

ひたすらに広大な空間だが、決して何も存在しないわけではない。
動物や魔物たちが放し飼いにされている空間、かつて地下3階で出会った妖精、「忘却の地図」なんていう恐ろしいものを提示してくる妖精の仲間……。

「わたくしが書いた小説をしまってある書庫です。恥ずかしいので絶対入っちゃダメです!」
なんてことが書いてある奇妙な建物もあった。

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フウカたちを知っている、謎の美しい女性。

そうやって広大な空間を歩いていると、やがて1人の少女と出会った。
ゆったりとした服を着た美しい女性だ。初めて見る姿なのに、フウカたちはどこかで会った気がしてならない。
彼女はフウカたちに気付くと、長いスカートを少し持ち上げて駆け寄ってきた。

「皆様、ご無事で何よりですわ! それにこんなところまでようこそいらっしゃいました。
 あっ、失礼いたしました! わたくし、シャルンディアですわ。
 ここでは剣の姿ではないので分からないのも無理ありませんわね」

シャルンディア……あの魔剣シャルンディア?

「ここはわたくしの意識が暮らす夢幻領域ともいう場所。
 みなさまを崩れゆく次元の狭間からお救いしたいと願ったところ、星脈がそれを叶えてくれてここに引き寄せてしまったようです」

夢幻領域――この美しい光景は、彼女の心象世界そのものということだろうか。
妖精も動物も……魔物さえも包み込んだ不思議な世界だ。

「わたくしがこのような人格と姿なのにも多分理由があって……
 元あるじ様が蘇る前、長いラガーナ王国の歴史の中で代々宝物庫を管理していた王族の女性たちに影響を受けたからだと思います。
 あるお姫様は、わたくしという魔剣に秘められた邪悪を祓うため、清らかな歌を歌ってくれました。
 また、あるお姫様はわたくしの無聊を慰めようと、心躍る物語を読み聞かせてくれました。
 彼女たちは、わたくしに意識があることを感じ取っていたのかも知れません。
 難題を抱え、わたくしに悩みを打ち明けに来た女王様も、宮廷で辛いことがあり、愚痴を吐き出しに来たお妃様も……。
 元あるじ様が言っていたように、それらのぼんやりとした記憶が星脈によって活性化し、今のわたくしとなったのでしょう」

ラガーナの王族たちは、決してその力を振るうことはなかった魔剣を、敬意を持って慈しんだ。
その愛こそが、シャルンディアに心を与えたのだろう、フウカたちはそう感じた。

フウカたちは、なぜ自分たちがここに来たのかシャルンディアに伝えた。
あのレイアードの導きで、そして彼の願いを叶えるため、最後の戦いを終えお姫様を救い出すためにここにやってきたのだ。
 それを聞いたシャルンディアは、「あの方はあの方なりにわたくしを案じてくださっていたのですね」と呟いた。

彼女は目を伏せ、胸に手を当てた。

「確かに、わたくしは悩みを抱えております……。
 星脈を破壊の力に変えて魔法王国を滅ぼし、千年もの間多くの魂の怨嗟と人々の恐れを浴びていた……。
 その業が黒く重い何かとなってわたくしの内側にあるのです。
 それを砕き、取り除けたらどんなに幸せなことでしょう」

フウカたちが体験してきた、1000年前の魔法王国の滅亡。
建国王リビウスを苛んでいたその悪夢は、確かに公爵の手に落ちたシャルンディアによって引き起こされたものだった。

「……でも、危険ですわ。みなさまを巻き込むのは、嫌です。
 過去は変えられないのです。罪を含めての自分だと、わたくしは思います」

フウカはこう思った。確かに過去を変えることはできない。……罪を償うことはできても、なかったことにはできないと。
だが、償うことはできるはず――そう考えた瞬間、シャルンディアの頬に涙の雫がぽろぽろと伝いだした。

「……うう、ぐすっ……。
 そう……。こんなの、ただの強がり、ですわ……。
 あんなこと……あんなこと、したくなかったのに……。

 わたくしの意思で、あんなこと、したんじゃないのに!!」
 
泣きじゃくるシャルンディアの姿は、ただの年頃の少女のものだった。
シャルンディアの心を救うには、そこに潜む魔剣の業を打ち破らなければならない。

――この夢幻領域において、魔剣の業が振るう力は計り知れない……。
邪竜の女帝を退けたフウカたちでも、危険な戦いとなるだろう。

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もちろん、フウカたちの答えは決まっている。
その決意を言葉に表そうとしたその瞬間――世界が止まった。

そよいでいた風も、漂っていた雲も、その隙間から漏れていた光も、全てが凪いだ。
涙を拭うシャルンディアは彫像のように固まっている。
時の流れからフウカたちだけが切り離されたかのようだった。

どこからか湧き出した黒い影がフウカたちの視界を徐々に塗りつぶしてゆく。
それを背景に、魔剣の業が姿を成した。
闇の中に悠然と立つシャルンディアと同じ姿の女は、似ても似つかぬ冷たい声でこう言った。

「わたくしは……
 わたくしは、もはや滅びて久しい欲望の神が、かつて人間同士を争わせるため地上に使わした一振り」

……そう。魔剣シャルンディアを建国王リビウスに与えた神。それこそ異界の神そのものであった。レイアードの記録にそうあったはず。

「星脈の恩恵を味わった人々は、わたくしを奪い合い殺し合うでしょう。
 それを眺めることこそ、わたくしの望み。

 邪魔するならば――我が錆にして差し上げますわ。ウフフフフフ……

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最後の戦い!

最後の戦い――それは魔剣シャルンディア」自身との戦い!
やることは変わらない。フウカが聖なる剣を振るい、アキが盾で皆を守り、マナカが敵を斬り、カナヤが敵を奇襲し、ユマは魔法の品を操り、ナオが燃え上がる炎を放つ!
フウカたちは今までの長い冒険で培った経験と、仲間との連携を信じた。

そして――シャルンディアの心の闇を、ついに切り払った!

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そして時は動き出す……

世界は色を取り戻し、時が再び流れ始めた。
涙目のまま表情をほころばせたシャルンディアが、フウカたちに抱きついてくる。

「ありがとう、ございます……!
 ああ……わたくし……わたくし……!!」

感極まったシャルンディアが落ち着くのを、フウカたちは辛抱強く待った。

「……魔剣の業に意識を塗りつぶされている間も、この胸の奥から少しずつ重いものが取り除かれていくのがわかりました。
 わたくしの心を軽くする、ただそれだけのために皆様が危険な戦いに挑んでくださっているのだと」

シャルンディアは目を閉じ、胸の前で両手を少し開いた。
緑色の輝きが集い、それは艶やかな質感を得、エメラルドのような美しい宝珠となった。

「そのとき、わたくしの心に生まれた思いです。
 どうか、お受け取りください!
 これを、わたくしからの親愛の証として末永くおそばに置いて頂けたら……。

 そして、時々で良いのです、ここに遊びに来て頂けるなら……。
 ――それ以上に嬉しいことはありませんわ!

宝珠を渡した後もシャルンディアは君たちの手をなかなか離そうとしなかったが、その姿がだんだん薄れてきた。
彼女の魔力が尽きようとしているのか、夢幻領域は消えつつある。
――君たちの意識も、本来あるべき場所に戻るのだろう。

彼女が名残惜しそうに呟いた言葉も、もはや君たちには届かない。
シャルンディアは代わりに精一杯の感謝を示そうと――とびきりの笑顔を見せたのであった。

――フウカたちは、「シャルンディアの想珠」を手に、気付いたらラガーナの街に戻っていたのだった。

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シャルンディアの宝珠。クリアアイテムなだけあり超破格の性能を誇る。

シャルンディアの想珠は「転移」の魔法効果を持つ。
これを使えば、いつでもシャルンディアに会いに行ける。

再度「転移」で夢幻領域に行くと、今までは入れなかった扉に入れるようになっている。
マップ北東のシャルンディアの書いた小説が書かれている書庫に行くと気質を「太陽」「彗星」「新月に自由に変えられる本が手に入る。

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「夢幻の闘技場」。わざわざシャルンディアが用意したのだろうか……?

マップ南東の建物は強敵との戦いが楽しめる「夢幻の闘技場」となっているらしい。とりあえず全員が希少度8の装備を揃えてからだな……。

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かわ……いい……?

北西の動物や魔物たちが居るエリアでは「強大な魔物」が「近寄ってじゃれてくる」。どういうことだ……?

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「星脈の精霊」登場。引き連れている相方は毎回変わるが面子がえげつなさ過ぎる。

「遊んであげる」と「星脈の精霊」登場。……後列に「冥府の神」が3体もいるぞ! どうなってるんだ!
「星脈の精霊」自体は時々「強い輝き」で全体攻撃をしてくる他は呪文を連打する。攻撃に対応すること自体は全然難しくないが、異常な回避率を持っており防御力をガンガン下げないとちっとも攻撃が当たらない。フウカは「試練」を連打。
後列の連中はナオの「爆光」連打でいずれ全滅するので恐れることはない。

経験値こそゼロながら宝箱なしでドロップアイテムが出る。しかも戦闘後は全回復最終的なアイテム集めはここでやれってことか……。
なんどでも再戦できるが、星脈の精霊以外の登場する敵はランダムのようだ。「混沌と破壊の神」が3体も現れたこともある。ここ魔境すぎませんか……。

帰りはシャルンディアに話しかけると雑談ができ、そのあと帰還できる。

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シャルンディアとの再会。
詳細な会話内容は君の手で確かみてみろ!!

もうひとつのシャルンディア

――ふと思い立って行かねばならない場所を思いついた。

レイアードが王となった世界の王宮――
レイアードの妹姫は、兄に魔剣シャルンディアと仲良くするようにと言われて大いに困っていた。

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もう1つの魔法王国の王宮では……

しかし、改めて来てみると、彼女は優しい表情で魔剣シャルンディアに本を読み聞かせている。フウカたちの世界の王族の女性たちがそうしたように――

――この世界のシャルンディアは、魔剣の業に心を苛まれることなく、魔法王国を守っていけることだろう。
フウカたちはそう信じて、立ち去るのだった。

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THE END

作者のポリフェノール氏にこの場を借りて改めて感謝申し上げます。
素敵なゲームをありがとうございました。

詳細な感想記事は明日、また別のエントリーとして投稿予定。