正式名称『ま~るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE WORLD BROTHERS』。
名前長いねん!
年明けすぐ頃に知人に勧められて購入したゲームです。
『地球防衛軍』(EDF)シリーズは、以前から知り合いがやっているのをたびたび観ていました。実際非常に面白そうなゲームだと思う反面……
虫がね……
わたし結構な虫嫌いでして、どうしてもあの敵デザインがダメでやってみようと思う気になりませんでした。
まあEDFが出ているハードはPS2とPSPしか持っていなかったという事情もありますが。
で、本作も勧められた段階ではちょっと抵抗があったのですが、ボクセル(要するに3D空間のドット絵みたいなやつ)で構成されたデフォルメ調の作風だと言われた上、知人もSwitch版でプレイしているとのことだったのでハード面の問題も解決。
ゲームとしての面白さは心配なさそうだったし、マルチプレイの相手も居て最悪詰まったら寄生協力して貰えばいいか、という判断で購入に至りました。
で、結論を先に述べますが、大当たりでした。
というわけで本作の感想を簡単に語っていきましょう。
なお、本レビューはNintendo Switch版でプレイ、攻略はHARDESTコンプリートまでは完了しています。
デフォルメゲーにしてEDFのお祭りゲー
EDFというと非常に高い難易度、絶望的な世界観というのがお約束らしいです。
実際本作も地球がバラバラにされていたりと世界観的には普通に絶望的なのですが、作品全体に漂う軽いノリのお陰で割と気楽に遊ぶことが出来るようになっています。
で、シリーズに詳しくないわたしはピンとこないものも多かったのですが、知人いわく大半の台詞が過去作のパロディであるらしく、シリーズをプレイしていればプレイしているほど笑える内容であるそうな。
ピンとこないといえども笑えるネタであることは間違いなく、特に最初は強気なのに速攻でヘタれて糸に巻かれるNPC「シータ5」はあまりにテンプレ過ぎて笑い転げました。
他にも何故か味噌汁の具材を探すゲームと化したり、その結果豆腐の自給率に関して勉強が出来たり、ボスキャラの登場ミッションを堂々「お披露目ミッション」と言い放ったりと台詞のメタネタ・フリーダムっぷりは枚挙にいとまがありません。
普通に絶望的な世界観でありながら、笑いでプレイヤーを引きつける作風は個人的には大変好みでした。
さて、冒頭でわたしが懸念していた敵のデザインですが、こちらもデフォルメ調となっており割と見られる姿になっております。
クモこと「デカランチュラ」なんかはジャンプするときに「ピョ~ン」と間の抜けた感じの音がする感じになっており、可愛げすら感じるくらいです。糸に巻かれると酷い目に遭いますが……。
そういうわけで見た目の問題も解決。……DLCのムカデはデフォルメされてもなお凄まじくおぞましい姿であるわけですが(オペ子も悲鳴の連続です)。
ちなみに、ボクセルゲームの代表格と言えば『マインクラフト』ですが、本作の作風はどちらかというと『レゴ』シリーズに近い気がします。
チームとなって地球を救え!
基本的には様々な特性の武器・アクセサリ・キャラクターを駆使してプレイするTPSということになります。
巨大な敵、ついでに町並みをぶっ倒す爽快感、一方で追い詰められたときの緊張感は非常に秀逸であり、プレイしていて大変楽しいです。
そして細かい配慮がシリーズ初心者への間口を広げています。
過去作では「プレイヤーのキャラ(兵科)はひとり」で「武器を持ち替えながら戦う」という形になっていたそうなのですが、本作では「4人のブラザー(キャラ)でチームを組み」「キャラを切り替えながら戦う」という仕様になっております。
これが非常によくできていて、「高耐久だけど低機動力のキャラ」「紙耐久だけど高機動力のキャラ」「回復技を持ったキャラ」などを自在に切り替えることができ、戦況に合わせて変幻自在の戦いが出来るようになっています。
いわばRPGにおける「タンク」「近接/遠隔アタッカー」「ヒーラー」などの役割分担を持たせることができ、これらを駆使することでミッション遂行を格段に楽にすることが出来ます。FF12好きとしてはドンピシャです。
また、従来作では攻略中に回収するため無限湧きの敵から集めるなどの手法が有名であったアーマー(最大体力値)稼ぎも、ミッションをクリアすればOK。
また「チームで最もアーマー値が高いキャラ」にある程度合わせてアーマーが上昇するため、新しいブラザーを使ってみたいと思った時も最も耐久力があるブラザーを引率役にしてクリアを重ねるだけですぐにモノになってくれます。
そしてブラザー(キャラクター)はDLC抜きでも100人以上は居るため、多種多様すぎる組み合わせを試すことができます。
総じてシリーズ初プレイのプレイヤーに優しいゲームデザインとなっており、一方でINFERNOやDLCのARMAGEDDONといった凶悪そのものの難易度もきっちり備えていて、シリーズプレイヤーも満足できるように作られているといえます。
INFERNOはまだ途中ですが(46など稼ぎに適したミッションは先行して攻略してます)、なかなか骨の折れる難易度です。モンハンが出なかったらずっとやってたかも。
お察しの通り、ブラザーたちもパロディ全開です。
総評:初めてのEDFにおすすめ
幅広すぎる難易度のお陰で初心者から上級者まで楽しめ、更に明るい世界観とデフォルメされたキャラクターのお陰で比較的人を選ばないゲームだといえます。
パロディネタ全開でこそありますが、全体的には初めてEDFシリーズに触れるプレイヤーを想定した新規層向けの作品であると言えるかもしれません。
現時点では2021年ベストゲームをモンハンと争うほどの出来でした(発売はギリギリ2020年なのは触れないお約束)。
余談
最近になって『地球防衛軍2』『地球防衛軍3』がSwitchに移植されるという話がありました。
こうしてみると絶対面白いゲームなのは分かっているのですが……本作と違いリアル調の作風なので敵のデザインがアレなのが最大の欠点かもしれません。
しかし……
PVの急造感がヤバすぎて逆に笑えてきます。唐突にゆっくりボイスを入れるのはやめろ!(笑)
デジボクEDFもSwitch版がPS4版を大きく上回る売り上げを記録したようですし、本当に急遽移植が決まったのかもしれませんね。
こういうどことない安っぽさがSIMPLEシリーズのD3パブリッシャーらしくて良いです。